第2回 市役所のみなさんに伝えたい デザイン活用&相談会 レポート

開催概要

  • 開催日 2021年7月14日(水)
  • 会 場 新潟市役所本館6F執行部控室

対象:文化政策課職員ほか

相談件数:9件

参加者数:会場18名、オンライン10名

新潟市役所で『デザイン1000本ノック』

 初めまして。ヒッコリースリートラベラーズ でインターンシップをしている大学4回生の森と言います。本日はNEWGATEが開催する新潟市役所役員を対象としたデザインの相談会に参加しました。デザイナーが自ら出向き、市役所内で困っている人の相談会をする、という取り組みはあまり聞いたことがなく、どのような感じになるのかとても楽しみです。
 今回相談される市役所の人は全部で9組で、相談時間は2時間〜2時間半ほど。会場には18名の参加者がいて、相談者以外にも聴講する人が半分くらいいました。あとはオンラインでの参加者もいて、比較的若い人が多い印象です。

 最初にデザイナーの3名が自己紹介をします。その後、その中のひとり、高橋トオルさんからデザインとは何かのレクチャーが3分ほど行われました。身近な例を用いた、面白くわかりやすい説明は、一瞬で市役所の方の心を掴んでいました。

 相談内容は、チラシのレイアウトの相談から、予算がなくどうしたらいいかわからない、などの相談まで幅広いものでした。それぞれの職員に対して、3人それぞれの視点からアドバイスを行なっていきます。1組約10分という短い時間の中で、何が問題であるかを指摘し、アドバイスや提案をその場で行う様子は、まるで『デザイン1000本ノック』。デザイナー3名の頭の回転の早さと、それをわかりやすく伝える様子はさすがだと感じました。

 今回は全体を通して「どのようにして市民の方へわかりやすく伝えるか」という内容が多かったように感じます。その中でも共通して「自分事化」というキーワードがアドバイスの中で多く出てきました。行政が行なっていることは、私も含めて他人事に思ってしまうことが多いです。しかし詳しく話を伺うと、自分の生活と関連が深い取り組みは意外と多いです。そこで、様々な取り組みを知ってもらうための入り口として、情報の伝え方、つまり「デザイン」が大切になってくる思います。最初のレクチャーで高橋さんから「デザインとは設計である」というお話がありましたが、まさに情報を伝えたいターゲットに伝えるための設計をきちんと行う必要性を感じました。

 市役所の方も、熱心にメモ取りながら聞いており、外からの視点が入ることで様々なアイデアが浮かんできている様子でした。何より、終わった後に同じ部署の方ともっとこうしようか、という声が聞こえるなど、会場の雰囲気が明るくなった様子がとても印象的でした。

 デザイン相談会に参加してみて、定期的に行うことで、市役所の方にも、デザイナーにも相互にいい影響があるイベントであると思いました。ただ、もっと時間をとってお互いに意見をやりとりすることができるとより効果的になるのではないか、とも感じました。相談の段階が様々であったので、悩んでいる段階ごとに相談形式を変えるなどもいいかもしれません。表面的なデザインの改善だけでなく、デザインを活用した視点を広げる場として、これからも開催されていき、市役所の方の思いが多くの人により届くといいなと思います。

主催:NEWGATE 共催:新潟市